カンドコロ

小建中湯ショウケンチュウトウ

子どもの虚弱体質を改善し、疲れやすさ、腹痛、夜泣きなどに用いられます。

この漢方薬が合う人の証(タイプ)

裏・寒・虚

この漢方薬は、これらの特徴(証)を持つ体質の人の症状を改善するのを得意としています。

「小建中湯」は、体力がなく疲れやすい『虚証』で、お腹が冷えやすい『寒証』の、特に子どもに良く用いられる漢方薬です。お腹(中)を温めて元気を取り戻す(建中する)という意味の名前の通り、胃腸の働きを助け、体を栄養することで、虚弱体質やそれに伴う腹痛、夜泣きなどを改善します。

どんな人に向いている?(陰陽のタイプ)

判定: 陰証(いんしょう)

「陰証」とは、例えば、病気が長引いて体力が落ちていたり、体が冷えやすかったりする、エネルギーが不足した状態のことです。この漢方薬は、体を温めたり、元気を補ったりするのを助けます。

「証」のバランスチャート

この漢方薬が、どんな状態の人に特に合うかを示すグラフです。それぞれの「証」が、病気の場所や性質、その人の体力などを表しています。

  • 表(ひょう)・裏(り):病気が体のどこにあるかを示します。「表」はかぜのひき始めなど、病気が体の表面近くにある状態。「裏」は病気が体の奥深くまで進んだ状態です。
  • 熱(ねつ)・寒(かん):体が熱っぽいか、冷えているかを示します。「熱」は体に熱がこもっている状態。「寒」は体がゾクゾクと冷えている状態です。
  • 実(じつ)・虚(きょ):その人の体力と、病気の勢いのバランスを示します。「実」は体力があり、病気と戦う力が十分にある状態。「虚」は体力がなく、体が弱ってしまっている状態です。

このグラフを見ることで、その漢方薬がどんな人の、どんな症状を助けるのが得意なのかが、ひと目で分かります。

構成生薬と「証」へのアプローチ

漢方薬は、「生薬(しょうやく)」という自然の材料の組み合わせでできています。一つ一つの生薬が、人の体の特定の状態(証)に働きかけることで、漢方薬全体としての効果が生まれます。

桂皮ケイヒ

体を温め、血行を良くする。

芍薬シャクヤク

筋肉のけいれんや痛みを和らげる。

大棗タイソウ

体を栄養し、精神を安定させる。

甘草カンゾウ

他の生薬の働きを調和させ、痛みを和らげる。

生姜ショウキョウ

体を温め、吐き気を抑える。

膠飴コウイ

体を栄養し、疲労を回復させる。お腹を温める効果もある。