気道を潤し、痰の切れにくい乾いた咳や、のどの乾燥感に用いられます。
この漢方薬は、これらの特徴(証)を持つ体質の人の症状を改善するのを得意としています。
「麦門冬湯」は、体のうるおいが不足している『虚証』の人の、特に空咳(からぜき)に用いられる漢方薬です。肺や気管支が乾燥することで起こる、痰が切れにくく、顔が赤くなるほど激しく咳き込むような症状に適しています。気道にうるおいを与え、粘膜を保護することで、しつこい咳を鎮めます。
判定: 陰証(いんしょう)
「陰証」とは、例えば、病気が長引いて体力が落ちていたり、体が冷えやすかったりする、エネルギーが不足した状態のことです。この漢方薬は、体を温めたり、元気を補ったりするのを助けます。
この漢方薬が、どんな状態の人に特に合うかを示すグラフです。それぞれの「証」が、病気の場所や性質、その人の体力などを表しています。
このグラフを見ることで、その漢方薬がどんな人の、どんな症状を助けるのが得意なのかが、ひと目で分かります。
漢方薬は、「生薬(しょうやく)」という自然の材料の組み合わせでできています。一つ一つの生薬が、人の体の特定の状態(証)に働きかけることで、漢方薬全体としての効果が生まれます。
肺や胃を潤し、乾いた咳を鎮め、口の渇きをいやす。
吐き気を抑え、咳を鎮める効果がある。
胃腸を保護し、他の生薬の働きを助け、体力を補う。
体を栄養し、精神を安定させる。
体力を補い、消化機能を高める。
他の生薬の働きを調和させ、痛みを和らげる。